2013年01月22日掲載 【研究室紹介: 京都大学大学院理学研究科・動物生態学研究室】

マヤサンオサムシのメス(下)と交尾するヤコンオサムシのオス(上)

京都大学大学院 理学研究科 動物生態学研究室は銀閣寺からほど近い吉田キャンパスに位置しています。京都大学では古くから生態学の研究が盛んで、吉田キャンパスではこのほかに農学研究科や人間・環境学研究科に生態学の研究室があります。また滋賀県の瀬田には京都大学の生態学研究センターもあります。動物生態学研究室はこれらの研究室の中でも最も歴史の長い研究室です。動物生態学研究室では現在おもに昆虫と魚類を研究の対象としていますが、ここでは特に昆虫を扱った研究を紹介します。

著者: 京極大助 (京都大学大学院理学研究科)
URI: http://ecol.zool.kyoto-u.ac.jp/

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2013年01月14日掲載 【オオヒラタシデムシにおける飛翔能力の退化過程】

ヒラタシデムシ成虫

飛翔能力の獲得は、昆虫の長い進化史の中でも特に重要なイベントの一つです。しかし、飛ぶには多くのエネルギーが必要なため、このような飛翔能力が退化して飛べなくなった種も多くいます。今回は、種内で飛翔能力に2型の見られる種、オオヒラタシデムシにおける飛翔能力の退化過程について調べた研究を紹介します。

著者: 池田紘士 (森林総合研究所)

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2013年01月14日掲載 【一見すると不合理な、テントウムシのエサ選び】

クリサキテントウ成虫

こないだの外食では何を基準にしてメニューを選びましたか? おそらく、値段や自分の好み、あるいはカロリーや塩分などを総合して判断したと思います。昆虫たちも同様で、栄養価や捕まえやすさといったいくつかの指標から、ベストなエサを選んでいると考えられてきました。

ところが、さまざまな種類で研究が進むにつれ、昆虫の中には成長や生存にとって良いエサを選んでいない昆虫もいることが分かってきました。ダーウィンが提唱した生物進化のプロセスでは、不完全な行動しか導かれなかったのでしょうか。それとも、一見すると不合理に見える現象の背景には、合理的な理由が隠されているのでしょうか。私は、他種からの影響を考慮に入れることで、テントウムシ類の風変りなエサ選びの謎を解明しようと試みています。

著者: 鈴木紀之 (東北大学大学院生命科学研究科)

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2012年12月25日掲載 【「出ておいで」 卵の中の子を呼ぶお母さんカメムシ】

雌成虫の合図で一斉に孵化した幼虫

卵塊から一斉に孵化する幼虫たち。彼らはどのようにして、自身の孵化のタイミングを知るのでしょうか。昆虫の親のなかには、産卵後に卵を保護し、孵化を様々な方法で手助けするものがいます。ここでは、お母さんカメムシの一斉孵化を呼びかける振動シグナルについて紹介します。

著者: 向井裕美 (鹿児島大学大学院連合農学研究科)・弘中満太郎 (浜松医科大学医学部)

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2012年12月25日掲載 【コブハサミムシの仔虫はなぜ母親を食べるのか?】

孵化が近い卵塊を保護するコブハサミムシ

これまでに産卵習性が知られている全てのハサミムシ類において雌成虫が自分の卵や仔虫を保護する性質を持つことが知られています。ところが、卵から孵化した仔虫が母親を食べてしまう性質はコブハサミムシにしか知られていません。コブハサミムシの仔虫がなぜ母親を食べてしまうのかは、コブハサミムシの生活史全体を把握しないと理解することはできません。ここでは、そのコブハサミムシの生活史を紹介して、コブハサミムシの仔虫が母親を食べる理由を説明したいと思います。

著者: 河野勝行 (野菜茶業研究所)

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応用動物学/応用昆虫学コラム

応用動物学/応用昆虫学の分野でいま注目されている研究成果を、第一線で活躍している研究者が解説します。

日本応用動物昆虫学会(応動昆)

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