2007年03月27日掲載 【虫媒性ウイルスの巧妙な手口】

トスポウイルス感染による病害

ウイルスに感染して病気になるのはヒトなどの動物だけではありません。植物も感染し、野菜や花などの農産物に壊滅的な被害が生じることもあります。昆虫やダニの仲間にはこうした植物ウイルスを媒介する種類がいます。今回は、ベクター(媒介昆虫)を巧妙に操作する植物ウイルスの生き残り戦略についてご紹介します。

著者: 櫻井民人(東北農業研究センター)

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2007年03月27日掲載 【吸汁によって植物を激しく萎縮させるヨコバイ】

フタテンチビヨコバイ

農作物の栽培方法の変化や温暖化の影響などによって,これまで害虫ではなかった虫が,新しく害虫化するものがあります。フタテンチビヨコバイは,最近,飼料用トウモロコシの成長を止めてしまう「ワラビー萎縮症」と呼ばれる被害を起こして問題になっています。ここでは,この虫のおもしろい生態を紹介します。

著者: 松村正哉(九州沖縄農業研究センター)

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2007年03月27日掲載 【福建省タケ害虫問題の顛末】

ナンキンスゴモリハダニ

モウソウチク(孟宗竹)はササ・タケの中でも最大のタケで、稈の直径が30cm、高さが25mに達することもあります。原産地は中国の福建省だといわれていますが、日本にも江戸時代に薩摩の殿様が輸入し、いまは本州以南で広く栽培されています。タケノコが美味しく、また管理された竹林の美しさから、ほとんどの人は、このモウソウチクが日本古来のものだと思っているようです。ここでは、このモウソウチクに大発生したハダニにまつわる話を紹介することにしましょう。

著者: 斉藤 裕(北海道大学農学部)

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2007年03月27日掲載 【カシノナガキクイムシ】

カシナガキクイムシ雌雄

「キクイムシ」には、その名の通り木を食べる種類の他に、木の中に餌となる菌類を持ち込んで栽培する種類がいます。このような農業を営むキクイムシの一種が樹木の幹に孔をあけ、次々に枯死させる被害が全国各地で拡がっています。今回は、この奇妙な現象を紹介しようと思います。

著者: 小林正秀(京都府林業試験場)

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2007年03月27日掲載 【社会性昆虫の卵保護行動を介した生物間相互作用】

シロアリの卵に擬態する菌核菌「ターマイトボール」

親が自分たちの子を認識し、世話をすることは、あらゆる社会性生物にとって社会の基礎となる重要な行動です。カッコウの托卵で知られるように、擬人的に言えば親から子への無償の愛を巧妙に利用する生物がいます。アリやシロアリの職蟻は、女王の産んだ卵を育室で大切に世話をします。ここで「シロアリの卵に擬態する菌類」と「巨大アブラムシの卵を保護するアリ」の話を紹介します。

著者: 松浦健二(岡山大学大学院環境学研究科)
URI: http://www.agr.okayama-u.ac.jp/LIPM/

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応用動物学/応用昆虫学コラム

応用動物学/応用昆虫学の分野でいま注目されている研究成果を、第一線で活躍している研究者が解説します。

日本応用動物昆虫学会(応動昆)

「むしむしコラム・おーどーこん」は、日本応用動物昆虫学会電子広報委員会が管理・運営しています。