2007年03月27日掲載 【ダニを巣に運ぶアトボシキタドロバチ】

アトボシキタドロバチは東~北日本に分布する小型のドロバチです。このハチの約9割は、卵の時からずっと『アトボシキタドロバチヤドリコナダニ』と暮らしています。成虫になったハチの体には、図に緑の円で示た場所(両翅のつけ根の後方や一番目の腹節の下)などに窪み(ダニポケット=アカリナリウム)があります。ハチが成虫になる(羽化する)時に、ダニはこのアカリナリウムに殺到し、合計100頭を超えるダニがこの中に入します。そしてメスバチが新しい巣を作る時、アカリナリウムから出て巣に入ってゆくのです。

ハチの巣作りから羽化まで、ダニと一緒に暮らすハチの生態を世界初のビデオ画像でご紹介します。

参考文献

  • Makino, S. & K. Okabe (2003) International Journal of Acarology 29: 251-258.

著者: 岡部貴美子・牧野俊一 (森林総研)

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