2007年03月27日掲載 【蛾の毒が心配...】
夜になると窓に蛾がたくさんやって来ます。毒が心配なのですが...?
蛾はチョウと違って、鱗粉(りんぷん)が落ちやすい種が多く、嫌われることが多いようです。
でも、毒をもつ蛾は、じつはあまり多くありません。鱗粉はじつは毒ではありませんし、日本では成虫で毒をもつ蛾は、チャドクガなど、10種くらいしかいません(日本には5,000種以上の蛾がいます)。
チャドクガはその名の通り、お茶の木の害虫です。この種が日本ではいちばん問題だと思いますが、毒といっても、死んでしまうような毒ではありません。チャや、ツバキ、サザンカといった木が近くに生えていて、幼虫が集団で葉を食い荒らしていたらチャドクガがいる可能性があります。こうした、ドクガの「毒」は全身にある「毒針毛」が犯人です。この毒針毛は発生木の近くでは風に漂うこともあり、チャドクガに直接触れなくても、痒くなることがあります。
チャドクガの毒は、成虫より幼虫のほうが、たちが悪いです。この幼虫にふれると、毒針毛が皮膚にはいって、猛烈に痒くなります。この毛は釣り針のようなかたちをしているので、触ってしまったらこすらないで、まずは患部を水でそっと洗います。それでも痒くなった場合には、ヒスタミン系の軟膏を塗ってください。さらに、それでも我慢できない場合は、皮膚科のお医者さんに行くしかありません。