2010年12月01日掲載 【大昔のトンボのえさは何?】

トンボは大昔からいる原始的な昆虫だと聞きました。

でも、今いるトンボは、ハエやカなどずっと高等で後に現れた虫を飛びながら捕らえて食べているように思います。

ほかに飛ぶ虫がいなかった時代のトンボはいったい何を食べていたのですか?

トンボ目昆虫は古生代デボン紀の終わりに出現したと考えられており、成虫が現在と同じような捕食性であるなら、自分より小型の飛翔昆虫を餌にしていたと考えられます。

デボン紀の空にはトンボに先駆けてカゲロウ目の昆虫が進出していたと考えられており、これがトンボの主要な餌になっていたと思われます。

また、初めて飛翔能力を身につけた昆虫にパレオディクティオプテラ(Paleodictyoptera)と呼ばれる仲間がいます(絶滅して現存していない。文献によってはカゲロウの仲間とされることもある)。彼らは6枚の羽を有し、シダ植物の胞子を食べていたとされ、トンボの祖先の餌になっていたのかもしれません。他にも絶滅した飛翔昆虫がいた可能性はありますが、化石としてはまだ見つかっていません。

回答者: 大村 尚 (広島大・院・生物圏)

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